講義アレルギー、活字アレルギー

いろいろな大学で授業をしていて感じることだが、学生の中に少数ながら、「講義アレルギー」のものがいるように感じる。教員が講義を始めると、すぐそれをシャットアウトし、他のこと(スマホをいじったり、私語をしたり、マンガを読んだり、眠ったりする)をする学生がいる。 それはちょうど、私達がアレルギーのあるものを避け決して食べないようにするのと似ている。私達は日常生活で、嫌いなものは避けて生活しているので、一概に「講義アレルギー」の学生を非難できない。 「活字アレルギー」も合わせ持っているのではないかという学生も見かける。講義の資料に文字の多いプリントを配ると、さっさとプリントを折りたたんでしまってしまう。 「講義アレルギー」は、大学に入学するまでの小中高で培った習慣なので、そう簡単に直せないように思う。これまで小中高で教員の退屈な話(講義)をたくさん聞かされ、それに対する対処戦略として身に付けたのが、講義シャットアウトの手法なので、講義が始まると自動的にそのスイッチが入る。 それなら、授業に出てこなければいいのにと教員は思うが、単位の為に必要な授業であるし、友人はいるし、たまには教員の講義ではない雑談も聞けるしと、授業には出席する。 「教員は講義したがり、学生はそれをシャットアウトしてやり過ごす」このような光景は、どこの大学でも見られる。それで、教員はいささか傷つき、学生はそのことに気が付かない。(学生は、このような文章を読むことがない)