今日は、黒沼ユリ子『メキシコの輝きーコヨアカンに暮らしてー』(岩波新書,1989年)を読んだ。
文章がとても読みやすく、内容も興味深く、2時間もかからず新書226頁の本を読み終えた。
村上春樹の小説を読み終えるのに数日かかったのに比べ、とても楽で、これはどこから来るのであろうかと思った。
小説に比べ評論や随筆の方が読みやすいのであろうかあろうか。これまで逆だと思っていた。あるいは、村上春樹の文体が読みにくく、黒沼ユリ子の文体が読みやすいのであろうか。
黒沼ユリ子は「自分が何かに感動したり、怒りをおぼえたりすると、どうしても、それを第3者に伝えたり、解ってもらったりしたくなってしまう」という動機から、自分の感動したメキシコの文化、壁画家、子ども為のバイオリン学校等について、いい文章で書いている。もともと文才のある人のようだ。
メキシコでは、今を生きるということが大切で、人と過去にかわした約束もその時に時間通りに果たせなくても気にしないなどの、日本との文化的差異は面白いと思った。
メキシコについては、昔社会学者の見田宗介や他の研究者の滞在記を読んで、魅力的な国だなと思ったことがある。
黒岩ユリ子のバイオリンや子どもの為の音楽教室に関しては、音楽的なセンスのない私にはよくわからないが、その周辺の文化的な部分に関しては、もう少し興味をもって、読んでみたい。