人にはそれぞれ苦手なものがあると思う。センスがないといってもよい。私にもたくさんあるが、その一つが、詩がわからないということである。詩(音)痴といってもよい。それは、家庭教育や学校教育(国語教育)に問題があったのではないかと思っている。
藤原新也が、「詩人というのは失業者と同じようなものなので、応援のつもりで買ってほしい」とを書いていたので(http://www.fujiwarashinya.com/talk/)、ついアマゾンで、氏の推奨する詩集を1冊購入してしまった。
伊藤友香『クロネコを撃ち殺したくなったら』(学びリンク、2013年)
http://www.stepup-school.net/step/book/kuroneko/index.html
読んでみると、思春期の悩みのようなものがうたわれているが、とてもシンプルで、詩オンチの私でも理解できるものがある。詩に添えられた
北海道の通信制の芸術高校生の書いた挿絵も新鮮だ。
うちの娘も共感すると思い見せたら、「自分の書く歌詞とは違う、ストレート過ぎる、暗すぎる」といわれた。やはり詩は難しい。
いくつか、転載しておく。(これは、一つ一つが独立したもの。転載が 詩の著作権を侵してない、といいのだが)
暑いものも嫌い 寒いものも嫌い 鈍いものも嫌い 痛いものも嫌い 嫌いなものをあげていったら 世界が消える
北極熊は思った ここは寒いな~ そして南に向かった そうしたら死んでしまった
赤信号 みんなで渡っても 轢かれるときは轢かれる
勝手に入ってこないでよ ここは私のテリトリ―なのだから
怒りが悲しみを越えると目が乾く
捨てることもしない 欲しがりもしない 弱虫
「私は悪くない」 と言い張りながら 自分が悪い事に気づき始めてた
誰かが隣にいれば それでいい そういうことも あるだろう
疲れたね そりゃあ そうさ 生きているんだもの
人間は優しい動物だ そう思える今日は いい日だね