最近、知人から下記のような詩を教えてもらいました。ご紹介します。
手紙 ~親愛なる子供たちへ~
年老いた私が ある日 今までの私と 違っていたとしても
どうかそのままの 私のことを 理解して欲しい
私が服の上に 食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを 教えたように 見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を何度も何度も 繰り返しても
その結末を どうかさえぎらずに うなずいて欲しい
あなたにせかまれて 繰り返し読んだ絵本の あたたかな結末は
いつも同じでも 私の心を 平和にしてくれた
悲しいことではないんだ 消えて去って行くように 見える私の心へと
励ましの まなざしを 向けてほしい
楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのを いやがることきには 思い出して欲しい
あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたと お風呂に入った 懐かしい日のことを
悲しいことではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に
祝福の祈りを捧げて欲しい
いずれ歯も弱り 飲み込むことさえ 出来なくなるかも知れない
足も衰えて 立ち上がる事すら 出来なくなったなら
あなたが か弱い足で 立ち上がろうと 私に助けを求めたように
よろめく私に どうかあなたの 手を握らせて欲しい
私の姿を見て 悲しんだり 自分が無力だと 思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力が ないのを知るのは つらい事だけど
私を理解して支えてくれる心だけを 持っていて欲しい
きっとそれだけで それだけで 私には勇気が わいてくるのです
あなたの人生の始まりに 私がしっかりと 付き添ったように
私の人生の終わりに 少しだけ付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで 私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変らぬ愛を 持って笑顔で答えたい
私の子供たちへ
愛する子供たちへ
【作詞】不詳、【訳詞】角 智織、【日本語補詞】樋口 了一、【作曲】樋口 了一
ネットで「 手紙〜親愛なる子供たちへ」を検索したら下記のような記事を見つけました。
「年老いた親の自分の子供へ向けたメッセージが歌われている。元の歌詞はポルトガル語で書かれており、作者不詳(読み人知らず)。樋口了一の友人、角智織の元に偶然届いたチェーンメールに詩が記載されていて、この詩に感銘を受けた角が詩を翻訳、樋口に見せたところ樋口も感銘を受けたため、曲の制作・発売に至った。」
「 手紙〜親愛なる子供たちへ〜」の原詩はポルトガルで平成21年に角智織が翻訳、樋口了一が作曲したもののようです。
ポルトガルは女性が歌う「ファド(運命・宿命の意)」という民族歌謡があります。多分この歌はファドではないでしょうか。ファドの旋律に乗せて、老いた母が自分の愛する子らに切々と語る言葉に母の愛情と愛着、生と死の持つ重さを感じます。やはりファドですね。
http://www.utagoekissa.com/tegamishinainarukodomotachihe.html