今の新型コロナ感染禍の中で、経済的に苦しい状況に追い込まれている人は多いことであろう。日本は、高度経済成長以降豊かになり、経済的にも社会的にも苦難の連続という人は減少して、比較的楽な生活を送ってきたと思う。
ただ、そのような中でも、海外に留学した学生や院生は、のんびりした日本とは違う文化環境の中で、過酷な生活を送って来たのではないか。留学と言っても、語学研修のような短期の観光や遊びを兼ねたものではなく、異国で学位を取得して、それを将来の職業に生かそうという決死の覚悟での留学である。
私が4半世紀前にサバティカル(研究休暇)で過ごした、ウィスコンシン大学にも、日本からの留学の院生が何人もいた。その必死の勉強と質素な生活を端で見ていて、このような修行僧のような生活を、日本では送っている人はほとんどいないなと感じた。異国でのお互いの助け合いといたわりも、我々も含め、日本では見られない親密なものであった。
このような生活は、過去のものだと思っていたら、現在もそのような生活を送り、その記録をブログに書いている人を見かけた。(2年くらい前に、そのブログは一度読んで、ここでも紹介したが(2018.7.16)、その夫婦は、今度は子連れで、マディソンに住みはじめている。ご主人がウィスコンシン大学の博士課程に在籍し、ブログの執筆者はその奥さん)。ご主人が院生の身分で、将来も不安定で、慎ましい生活をして、家族で必死に生きている姿には、感銘を受ける。
青子のウィスコンシン渾身日記 http://nagaya.tatsuru.com/