先に生成AIへの質問と回答を2つほど紹介したが(昔からの含めると多数になる)、その具体的回答の傾向から、回答の特質が明らかになっているように思う。
生成AIと研究者の違いやその優劣を問うた先の質問に回答に、「生成AIは独自の観点を出せない、創造性に欠ける」という回答をしてきているが、これはこのように書かれている文献が多い(研究者がそのように考えている)ということで、生成AIに創造性があるかどうかは、AIに聞かずに研究者が判定すべきことであろう。
今回、「今の日本の教育問題で重要なことは何ですか」と質問したところ、いくつかの項目を挙げてきた中で、「受験競争の深刻化」が挙がっていた(下記参照)。しかし、これは少し違うのではないかと感じた。過去にそのようなこと(受験競争の弊害)を指摘した文献が多かったことから、このような回答になったと思われる。今は、少子化で受験倍率は低下し、入試の多様化、学歴価値の低下で、受験競争は緩和されているのではないか。
全体に、AIの回答は、過去の文献やデータから作成されているので、世の中の一般的な思い(世論)や最大公約数的な回答が多い感じがする。また、これまでの言説にない特異な意見を述べ、それへの意見を求めると、それへの反対意見が既存の文献に少ないせいか、質問者が述べたことに賛成する傾向があるように感じる(「資質・能力」と「観点別評価」に関する質問に対する回答でそれを感じた)。したがって、AIが賛成したからと言って、その意見が正しい訳ではない。