知り合いのOさんから、メールをいただいたのでそれを転載する。過去に私のブログに書いてきたことにも通じるテーマが論じられ、紹介されている。
【0から1800億円企業を築いた立役者】 95歳のスーパーおじいちゃん多田野 弘さん(ゼロ戦搭乗員)という方がいらっしゃいます。
クレーンや高所作業車などの製造販売を行う 株式会社タダノ(東証一部上場企業)の名誉顧問のブログのご紹介をしたいと思い、不躾ながらメールさせていただきました。
多田野さんは戦後の焼け跡から家族と共に会社を立ち上げ、現在、従業員数3000人以上、売上高2000億円を超える大企業へと発展させ、現在は名誉顧問で95歳です。
その多田野さんがおよそ2カ月に一度の割合で書かれているブログ「航海日誌」があり、
私は7~8年ほど前からの読者ですが、最新号Vol.164 (2015.11.04)「生きる力」の中で
次のようなことが書かれています。
「命の最高の喜びは、命を懸けても惜しくない対象と出会うことにある。その時こそ、命は最も充実した生の喜びを味わい、激しく美しく燃え上がるのである。何に命を懸けるのか、何の為なら死ねるのか。この問いに答えるのが生きることであり、この問いに答えるのが人生である。」という文章がありました。 ↓
http://www.tadano.co.jp/tadanocafe/logbook/vol_164.html
戦時下でゼロ戦搭乗員として、何度も死を覚悟されたという多田野さんが発するメッセージにはなんとも不思議な説得力を感じました。こうした思いを共有される方がいらっしゃればと、このブログの存在をお知らせしたいと思いメールさせていただきました。
多田野さんは、「NHK戦争証言アーカイブス」にも紹介されています。 ↓
http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/shogen/movie.cgi?das_id=D0001130113_00000
何かの機会にご紹介いただけましたら幸いに存じます。
上記の紹介に、昔のゼミの卒業生(S君)から、メールが寄せられた。その一部を転載させていただく。
<ご無沙汰しております。11/11のブログ「生きる力」を拝見して、思い出したことがあります。
井上俊「死にがいの喪失」です。約30年前にゼミ(演習)で紹介された本だと思います。
この本のタイトルは、逆説として「今の時代に生きがいはあるのか」という問いに聞こえました。
でも、そういう問いが「ダサい」とかたずけられる時代でした。
政治的な敗退後の無気力やノンポリの時代からは時期的に後の時代で、時代の空気が違っていました。
村上春樹の初期の作品(「羊たちをめぐる冒険」「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」)が、最初に支持された時代だったと思います(かなり批判されましたが…)。
今でも「何のためなら死ねるのか」という問いに答えるのは難しいですが、その答えを時代がつくってしまう場合もあるように思います。
自分の命を賭して何かに挑むという、そういう気持ちをすでに自分が持ちえない…。一度死を覚悟した人間とそうでない人ではその後の人生でも…。
よくわからない部分もたくさんあって、うまくまとめることができません>
30年前にゼミで取り上げた本のことを今でも覚えてくれている人がいるというのは、嬉しい。大学教師の役割は、上手な授業をすることより、本を紹介することにあるのかもしれない。