いろいろな組織には理事というものがいて、理事会というものが年に何度か開かれる。理事会は、その組織や会の重要なことの審議や決定をする機関であり、その議事はきちんと練られ、議事の進行は厳か(型通り)に行われる。その為、通常、理事会に出ると、提案に対して異論も出ず、たいした議論もない。
理事の人達は、組織の代表であったり、その道の権威の人であったり、有名な人あることが多いので、いろいろ意見を聞きたり、話が聞けたらさぞ有益なことであろうと思われるが、議事は型通りすすみ、横道にそれることはほとんどない。
学会の理事会も同じようなもので、事務局で議論して精査した内容が議案として出てくるので、理事から質問や意見が出ることなく、原案通りに承認されることが多い。
私の経験ではかって学会などでは、理事会の後の懇親会が開かれ、それが有益だった時が昔あった。そこではホンネの議論があり、情報交換があり、本の企画が立てられ、人事が実質的に決まったりすることがかってはあった。しかし、今はそのようなことはほとんどない。
現在私が参加しているT研究所の理事会は、理事長や事務局長の発案で、重要議題の審議や決定の他に、各自の研究に関するスピーチの時間が別に設けられ、研究の交流が計られている。そこでは高名な教育学者の話を聞く機会があり、とても得をした気分である。
各種の理事会も、もう少し、参加している人の学識や人柄が出るものになればいいのにと思う。