全国大学生協が実施した大規模な調査の結果が朝日新聞に掲載されていたので、転載する。
(いま子どもたちは)データ編:3 学習意欲高い「リア充」増加
リアルな大学生活は充実している――。そう答える「リア充学生」が増えているようだ。
全国大学生活協同組合連合会は毎年の調査で、学生生活が充実しているかを尋ねた。その結果、「充実している」「まあ充実」の回答を合わせると、1981年の62%から年々増えて2014年は88%になった。
大学生協連の堀内久美さんは「今の大学生は真面目で忙しいから、充実していると感じるのではないか」と分析する。授業、アルバイト、サークル、就活、友達づきあい……。振り返ったり考えたりする余裕がない日々が、充実を感じさせるという見方だ。
大学生活で重点を置くことも変わってきた。85年は「豊かな人間関係」(26%)がトップだったが、14年には半減。一方で、85年に19%だった「勉強や研究」が27%に増えた。
大学に進学した理由(二つまで選択可)からも、入学前に目的意識がはっきりしている様子がうかがえる。「将来を考える時間が欲しくて」を選んだ人は04年の5割から12年には半減。「友人関係や趣味などを楽しむため」も2割から1割に減った。日頃の悩みを尋ねた調査(02年までは二つまで、03年以降は三つ以上も選択可)でも、「生きがいなどが見つからない」が80年の33%から14年には半減している。
堀内さんは「モラトリアム大学生が多くいた昔と違い、経済状況が厳しい中で進学する学生らが増えたことできちんと学ぶ意識の学生の割合が増えたのでは」と指摘する。
そんな大学生は悩みを誰に相談するのか。01年と14年を比べると、相談相手がいる人は約8割で変わらない。だが、そのうち相談相手に「友人」を挙げた人は51%から39%に減少。一方で「父親か母親または両親」が14%から21%に増えた。堀内さんは「親と離れていてもメールなどでやりとりでき、親の威厳が弱まったこともあり、距離感の近い両親に相談する人が増えたのではないか」と話す。(2015年10月17日朝刊)