なんとなくもやもや感じていたものを、ズバッと明快に斬って(言って)くれる人がいると、スッキリする。社会学の分野では、そのような役割を果たすことのできる人に、竹内洋氏(関西大学)がいる。竹内洋氏の冴えが健在なことを、昨日の読売新聞(2013年1月14日、朝刊)で知った。その一部を、転載する。
<「知識人」や「インテリ」という言葉は80年代に最後に死語になりはじめた。そのかわり,ゆるい知識人もどきである「文化人」という言葉が氾濫しはじめた。日本人の知性や知識人に対する愛憎併存が見出した中和的な回答が「文化人」ではなかったか。>
< あからさまな反知性主義というより疑似知性主義とポピュリズムが手を携えあっているのである>
<われわれは、ゆるい知性もどきのなかで、知性の意味を考えることなく、「半」知性主義から「脱」知性主義へと緩慢な知性の死に向かっていないだろうか。あたかも猫が生クリームもどきの山の中に放り込まれ、満足と法悦のなかで溺死していくように。>