教育現場の見学

私は教育の研究を生業としながらも、これまで教育現場をみることや体験することが少なかった(高校で半年間教壇に立ったことはあるが)。それは、私の専攻する教育社会学が教育現場や教育実践と一線を画し(距離を取り)、教育のしくみを客観的に(傍観者的に)見ようとする学問的な性格があるせいかもしれない(そう言い訳してきた?)。
しかし、ここにきて、敬愛大学のこども学科の学生と一緒に、小学校の教育現場を訪問する機会に恵まれている。教育現場で、校長先生や教頭先生らから話を聞き、授業を見学させてもらい、子ども達と話し、給食まで体験させてもらったりしている。教職をめざす学生にとって、現場体験は貴重なものになろう。
教育社会学でも教育現場のエスグラフィー的研究の重要さは言われ、すぐれた研究も多数出ているが、自分で何ができるのかという視点で見てみると、難しいと思った。
今日訪問した小学校は外国籍の子どもが4割以上にのぼっている特異な学校であるが、一見どの子が外国籍かもわからず、授業は日本語で普通に行われており、どこに観察や研究の視点を置けばいいのか、見当がつかない。何度も学校に足を運び、時には教壇に立たせてもらい、地道に参与観察を続けなければ、研究の視点すら湧いてこないと思った。現場研究は難しい。

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