教育実習で訪問した小学校が、「ユネスコ協同学校」に登録していてESD(Education for Sustainable Development=持続可能な開発のための教育)を実践している学校であった。
(ESDに関しては、 文部科学省がこの理論(運動)を推奨している. 概要は下記を参照。
http://www.mext.go.jp/unesco/004/1339970.htm)
そこでいただいた『未来をつくる教育ESDのすすめ』(多田孝志・手島利夫・石田好広、日本標準ブックレット、2008)を読むと、このESDが、教科の枠を超えた教育の実践には大変有効な理念や方法であることがわかる。
未来指向性、知的理解から主体的行動力へ、関係性ー社会・人や自然との調和、多様性、変化への対応力、寛容性、開放性、推察・イメージ・響感力、多文化リテラシーなどが、学校教育で育むべき資質・能力や技能として、列挙されている。
この内容からすると、かなり「多文化教育」と近いと思えるが、現場性と身体性を重視している点は、ESDの方が顕著であり、教育現場で使える理論と方法であると思う。
ただ、社会の利害関係や権力関係や階層性(格差問題、貧困問題)への言及が少ないように思われる。理想を高く掲げているが、実際の社会や学校の現実をリアルに見ているのかどうかわからない。検証してみたい。