朝日新聞記事に、現在年賀状を出さない人は57%と大変多いという記事が載っていて、大変驚いた。年齢別のデータも掲載されていて若い人ほど年賀状を出さない傾向がある。メールやSNSが普及する中で、瞬時に人に情報を送れる現代において、時間差のある年賀状はまどろっこしいと感じる人が多いのであろう。高齢者でも「今年限りで年賀状はやめます」と書いてくる人が多くなっている。
昔子どもたちは、担任の先生にまず年賀状を出したが、今は先生の住所は個人情報で、子どもも知らないし、先生たちも教え子から年賀状が来るとは期待していないであろう。昔は、その年お世話になった人にはお礼を兼ねて年賀状を出し、引き続きの教示をお願いするのが礼儀と考えられていた。また、片思いの人(?)に年賀状を出し、その後の人間関係の進展を期待するということもあったと思う。
もう関係が薄れているのに、お互いに惰性で年賀状を出し続ける場合もある。年賀状をもらった以上、こちらからも出すのが礼儀なので出すことになるが、印刷された文字だけが並ぶ儀礼的な年賀状を辞めたいと思いながら、そのきっかけがなかなか掴めない。さらに高齢者にとって年賀状は「まだ生きています」ということのシグナルでもある。今年は、相手の住所も手書きで書いてみて、わかったことは、①自分の字が相変わらず下手だということ、②PCと年齢のせいで、漢字が書けなくなっていること。③年賀状書きは短い時間ながら、相手との昔の交友を思い出し、相手に思いを馳せる貴重な時間ということである。
朝日新聞記事の一部転載<「年賀状離れ」進んでいる? 若年層「出さない」高め / 朝日新聞社が12月14、15日に実施した全国世論調査(電話)で、郵便で出す年賀状について今年「何枚くらい出しますか」と尋ねると、「出さない」が57%と半数を超えました。およそ30年前に行った、面接方式による全国世論調査では年賀状を「出さない」と答えていたのがわずか9%にとどまっていただけに、「年賀状離れ」が進んでいるようです。/ 今回の調査を年代別でみると、「出さない」と答えたのは18~29歳で78%と、若年層で高い数字でした。1995年のときは「出さない」人は20代(当時、調査対象は20歳以上)で11%でした。/ 2005年調査では、20代(当時、調査対象は20歳以上)は「出さない」が23%で、全体の16%より高く、どの年代よりも高い数字でした。その後の19年調査では、年賀状を「出さない」は全体で33%で、18~29歳は57%でした。/ 今回の調査で、「出さない」割合が最も低い年代は、42%の60代で、「出す」54%の方が上回っています。高齢世代にとって年賀状とはどういう位置づけなのでしょうか。知りたいところです。>(石本登志男,朝日新聞デジタル版、2024年12月29日)