年賀状について

 毎年今の時期は、年賀状の印刷と宛名書に追われている時期である。
 今年はそれがないのは、少しさびしい。
(今年の7月に母が94歳の生涯を閉じ、我が家は喪中だからである。)

 ただ、年賀状はいつまでも必要なのかとも思う。「もう高齢になりましたので年頭のご挨拶を遠慮させていただきます」というはがきやメールを先生や先輩からいただくことがある。どこかで区切りを付けないと、儀礼的な年賀状が一向に減らない。
 我々の年齢になると1年の1度の年賀状は、生きている証しであり、年賀状を出さないと、亡くなったのかと思われてしまうという恐れも感じる。
また、1年に一度くらいは、宛名と名前を確認しながら一人ひとりを思い浮かべ、一言添え、その人との「旧交をあたためる」のも悪くない。
 しかし、何年も会うこともなく、この先も会わないであろう人に、儀礼的に年賀状を出し続けるのは、先方も迷惑しているであろうし、やめにした方がいいことは確かである。 
 今の若い人は年賀状を出さなくなっているようなので、それはいいことのように思われる(近年、学生から年賀状をもらうことは全くない)。
不合理なことはなるべく避けて、この忙しい世の中、意味のあることに時間を使いたい。