いろいろなところで小さな研究会が開かれている。
私が院生の頃、教育社会学専攻の大学院の4年先輩の高橋均さんが2年先輩の近藤純夫さんと一緒に作田啓一の価値に関する文献を読んでいるのに誘っていただき、文献の読み方、作田啓一の魅力ほか、多くのことを学んだ。その後、助手の小野浩さんがT. パーソンズの英語の本を一緒に読まないかと誘っていただき、新井真人さんと3人で1日に1ページくらいしか進まなかったが週1で1年近く読書会を続けた(抽象的な理論は、各自が思い描く具体例が違い、面白かった)。その他、松原治郎先生中心の「社会化研究会」(「政治的社会化」に関する翻訳を行った)、院生が多く参加した「社会化研究会」、教育社会学OB会のSEOB会などがあり、学外では、「犯罪社会学研究会」(科学警察研究所の星野周弘先生の紹介)や「家族社会学研究会」(家族社会学の第1人者の森岡清美先生にお会いした)にも少し顔を出した。
調査関係では、ベネッセ(福武書店)、大学生協、中央教育研究所などの調査の為に、研究会が組織され、それらに参加してきた。また、学生調査のことで科研費を受託した時は、「大学生文化研究会」を組織して、多くの人の協力を得た。
私の上智大学時代は、「上智大学教育社会学研究会」を公開で月に1〜2回開き、友人・知人に報酬なしで講師をお願いし、18年間で92回ほど開催した(講師;清水義弘、潮木守一、加藤幸次、牧野暢男、藤田英典、明石要一、鈴木晶子、森重雄、北沢毅、濱名篤、渡部真、小林雅之、若林敬子、大野道夫、山本雄二、黄順姫、岩田弘三、苅谷剛彦、酒井朗、沖津由紀、河野銀子、M.アップルなど(一部掲載、敬称略、順不同)その他、今も続いている年一度の開催の「学校社会学研究会」もある。放送大学文京学習センターの自主ゼミ(SEガーデン)月1回のペースで続いている。
現在、私が純粋に個人で開催している研究会というものがなく、何かできないかなと考えている(「千葉教育社会・子ども社会研究会」というものも考えたが、あまり人が集まりそうもなく、めた)
そこで昨日(9月19日)、敬愛短大学長(千葉大名誉教授)の明石要一氏が、毎月第3土曜日の17時30分〜開催している「SE会」に飛び入りで参加させていただいた。この会は明石氏の千葉大学時代の教え子(教員が多い)の集まりで、教育問題他について自由に討議する場である。昨日の参加者は15名程度。各自が現在の自分の教育実践や研究関心や仕事の内容に関して、レジメを用意して10分程度で報告し討議するというものであった。明石氏の適格なコメントに感心する。研究会の後は、その場がすぐ飲み会に切り替わり、そこでも有用な情報交換が行われていた。
明石氏の学部時代の恩師である深谷昌志先生は、奥様の和子先生と3カ月に1度「子ども問題勉強会」を開催し、素敵で充実したニュースレターを送って下さる。
このように、大学の研究者は、公式の大きな学会とは別に、小さな研究会も開催し、新たな情報を取り入れている(それが同時に後進の指導にもなるのであろう)。