ひとりの知人は、定年後の生活に関して、次のように書いている。
<人の「一生」は短いものです。そんなことを考えると、今までの生活とは全く違う形の生活を想い描いてみたりします。いわゆる仕事からは全て身を引き、「街を歩き、いろいろ自然の中へ出かけ、本を読み、思索に耽り、また家事をこなし・・・」、そんな方が人間的なのではないかと。 仕事は確かにいろいろ魅力を持っています。自己実現、自己表出の機会であり、自分が社会に必要とされていると感じられることは、人間にとってとても大きなことなのでしょう。ただ、「仕事は人生の最良の糧であり、同時に麻薬なのかも知れない・・・」、などと考えたりもするのです。>
上記の意見に、私は3分の1くらいは共感し、3分の2くらいは違うのではないかと思います。(共感部分はここでは省略して)
第1に、定年後そのような優雅な生活を送る為には、貯えがなければ無理でしょう。今の年金額はだけでは、そのような好きなことをすることも好きなところに出かけることもできません。裕福な人の定年後の生活をすべての人にすすめることはできません。
第2に、人はだいたい怠け者で、義務がなくなると、ずぼらな生活を送ってしまいます。 毎日が日曜日になると、読書や思索や運動をしようとしなくなるのではないかと思います。(少なくても私はそうです)。「~への自由」ではなく「~からの自由」というのが、人間の性(さが)なので、ある程度の、義務(仕事)が必要で、そこから自由になろうとしてこそ、楽しさがあるのではないでしょうか。