日本教育社会学会の第72回大会は、新型コロナ禍の感染防止のため、急遽9月5、6日の2日間オンラインで開催された(参加費2000円)、会場に集まる例年の大会と同様470名の参加があり盛況であった。オンラインの学会には、期待以上の充実した大会だった、と感じた人が多かったではないか。参加してみて、メリットを感じた人が多かったと思う。学会からは来年の学会は「どのような形態の開催がよいか」というアンケートも来ている。最近のメール中に書かれた感想を記録にとどめておきたい。
「私もオンライン学会に参加しましたが、思ったよりもメリットの方が多かったです。部会の移動も容易にできるので、いつもより多くの発表を聞くことができました。課題研究も飛行機の時間を気にすることなく、最後まで参加することができました。発表資料の印刷も不要でしたし、空いた席を探してうろうろすることもありませんし、印刷部数が足りず資料を取りそこなうということもありませんでした」(N氏)
「教育社会学大会は参加者が多く、盛況で、一部で報告が通信環境のため、取りやめになった程度ではないかと思います。通信の不安定性以外、いくつか技術的な問題はありますが順次解決されていくと思います。(ズームの)チャットで事前にコメントが送れるのも若い人たちは積極的に活用しています。これからは、オンラインとオンキャンパスのハイブリッドになっていくことと思います。WondowsとMacと両方で、ズームを試したところ、同じアカウントで違う部会に同時にアクセスできることがわかりました。」(K氏)
「オンライン学会自体は、あのシステムも含めてとてもよく準備されたもので、関係者のご苦労がうかがえました。各部会へのZoomの誘導のしかたとか細かい部分を含めて、動線がシンプルだったと思います。発表すること自体は、Zoomなどのオンライン会議システムで授業をおこなった経験があれば、特段難しいものではなく、発表中の機材のトラブルを心配するだけでよかったと思います。デメリットは、リモートの授業でも同様なのですが、「ちょっとした会話」がまったくできないことです。普段接する機会のない方々と交流するきっかけが皆無でした。たとえば、対面式だと、部会終了後に発表者同士でお互いに非公式のコメントをすることも多いですが、それがしづらいです。あのシステムの「コメント」機能を使う方法はもちろんあるのですが、アクセスした人には「公開」されますし、「わざわざ文字にしてまで…」という場合には、ハードルが高すぎます。また、単に「あいさつをする」だけもできませんし。(ざっとみたところ、各部会の「コメント」での質問等はそれほど活発におこなわれていなかったようです。)(T氏)
学会からは、次のお知らせも来ている。「1.本大会で用いたウェブサイトConfitはこのまま使用できます。特に、大会中には時間がなく、オンデマンド報告が見られなかったという声が寄せられておりますが、ぜひ今からでもご活用ください。2.大会で使用したZoomのアカウントは9月23日までの打ち合わせ・研究会などでご使用できます。」