大学教員の社会的地位は下がっているように思う。それは給与面だけでなく世間の大学教員を見る目(社会的評価)についても言えると思う。大学教員は、自分の狭い領域に閉じこもるオタクで、世の中のことには無知な人種と思われているのではないか。それで今大学教員に期待されることも様変わりしつつある。
少し前までは、大学と専門学校は同じ高等教育でも違うもので、大学の専門学校化は、大学の本質(真髄)を失うもので問題であると議論されていたが、最近はそのような議論は聞かない。この大学の学部が専門学校のようにいかに就職に役立つのかという広報ばかりが目につく、
大学の知識も実務的なもの実践的なものが重視されている。実務経験者の割合が一定程度いないと学部や大学院の設置認可が下りなかったり(教職大学院等)、授業料免許の援助の対象大学から外されたりする。今教育界はアクティブ・ラーニングというマジックワードが飛び交い、実践に役立たない知識は貶められている。
大学の入試は、もととも大学で学ぶ能力があるかどうかの判定の為に行われたものなので、大学教員が作成し採点するのが当然と考えられていたが、今は大学入試センタ―試験の主導権は、大学教員から高校教師や文部科学省の役人や民間に移管されようとしている(荒井克弘「高大接続改革」中央教育研究所研究報告No94 36p, www.chu-ken.jp/pdf/kanko94.pdfsannsyou )