浅野智彦氏(社会学)は以前の対談の中で、大学生の自由の大切さに関して、次のような興味ぶかいことを言っている。(対談「大学生の現在」(浅野智彦・武内清)季刊『家計経済研究』2011 summer p10)
<就活の長期化・早期化により大学の授業が成り立たなくなることの本当の問題は、「大学生が授業をさぼる権利を侵害していること」ではないでしょうか。大学とは「授業に出ていいし、さぼって別のことをしてもいい」場だと思います。その自由さにも重要な意味がある>
文部科学省が学生の授業への出席を厳しくチエックしようとするのは、この大学の自由さを奪うことになる。
一方、就職の決まった4年生が、就職先に見習い的に使われたり、アルバイトに精を出すのを見ると、学生時代の今しかできないことを忘れていはしないか、と思う。
働くことは大学卒業してからいくらでもできるし、嫌でもさせられる。卒論やゼミ論など自分の興味の赴くままに何かを探求すること、そして大学教員から学ぶことは、学生時代の今しかできないことなのに。失ってから、その価値のわかることがあまりに多い。