大学には一般の講義科目とは別に、ゼミがある。ゼミは少人数で、教員との関係も親密になるようにされており、小中学校の学級(クラス)、高校のHRのようなものであり、大学生活の拠点(居場所)のよう期待されている。学生の褒賞や賞罰、問題行動が教授会で審議される時もゼミ名(指導教員の名前)が表示され、ゼミ教員の責任も問われる。
ゼミは、学生は自分の興味や好みから選ぶため、いろいろな講義を受講して、3年時から選択する場合が多いが、最近は、居場所づくりの為か、1年生や2年生でもゼミに属するようにしている大学が多い。
敬愛大学のこども学科の場合も、1年次からゼミ(演習)はあるが、期間は半年間で、ゼミの選択も学生にはできない(機会的に決められる)。2年生のゼミは、学生がゼミを選べるが、期間は半年間である。
私は今年、1年と2年のゼミ(演習)を担当しているが、どちらも半年間と短く、学生との関係も、中途半端で終わってしまった。
以前に、武蔵大学や上智大学に勤めていた時は、どちらも1年間のゼミ(武蔵は1年からゼミがあり、上智は3年からのゼミであった)で、コンパをしたり合宿をしたり、家に学生を招いたりで、学生との関係もかなり近かったと思う。
学生の側からすれば、世代の違う教員とかかわるのは、気を遣ったり、煩わしいことが多く、サークル活動や友人関係やアルバイトなどいろいろ忙しい中で、教員とのかかわりは最小限にしたいという気持ちもあるであろう。
ゼミがうまくいくかどうかは、そのときのメンバー構成によることも多い。私の場合、今年の2年生のゼミは、皆仲よく、小学校の訪問や、ゼミ室でのお茶会(コストコの大きなケーキを皆で食べた)、メンバーの誕生会、グループ発表など、なかなか充実したものになったという思いがある。
飲み物と紙コップをゼミの場に持ち込むと、紙コップには、ゼミメンバーの特徴が毎回違った内容で書かれる(写真参照)。足りないお菓子の配布はじゃんけんをしたり、ゼミを盛り上げる仕掛けを誰かが自然に考え出してくれた。グループ発表の内容は、それぞれ、PPを使っての発表で、メンバーの協力の後が見られ、どれも興味深いものであった。(テーマ;子どもとメディア、教師の多忙感、モンスターペアレント、大学のキャンパスライフ)。
最後の「大学のキャンパスライフ」に関する発表は、下記のパワーポイントの内容に見るように、大学生に関する文献と調査データを読み込み、自分達のキャンパスライフを吟味するよくできたものであった。各自の恋愛、結婚観を率直に(恥ずかしそうに)議論したり、ほほえましいしさも感じられた。