先週の「ジェンダーとカリキュラム」の授業で使った資料の中に、「男子問題」として、高校レベルの学力が女子に比べ男子の方が低いという指摘があった。そのことから、公立の男子校を作り、特別の教育をすればいい(それは差別にならないのではないか)と学生に話した。
女子高の方が、女子が男子に頼らず、リーダシップを発揮して、能力を伸ばすことができる場合がある。同様に、男女共学より男子校の方が、男子が女子に惑わされず(?)勉強や運動に専念できる場合があるのではないか。その特権を私立だけに認めるのは公平ではないと思ったからである。
学生から「公立の男子校はありますよ」とすぐさま指摘された。
調べてみると、宮城県に「仙台一高」はじめ5校、栃木県に宇都宮高校はじめ3校、埼玉県に浦和高校はじめ3校、山形県と群馬県にそれぞれ1校と、関東より北の方にかなり男子校がある。
戦後の高校3原則(小学区制、総合性、男女共学)が、西では徹底され、東では徹底されなかったせいであろう。
学力と男女共学・共学の関係を調べてみるのも興味深いであろう。その際には、公立と私立に分けて調べる必要がある。私立の男子校の学力の高いのは自明だが、それが私立のせいなのか、中高一貫校のせいなのかは検討されてきてはいるが、共学と別学の違いは、あまり検討されていないように思う。(東京の私立の御3家―麻布、開成、武蔵は男子校、
千葉にある私学・渋谷幕張は男女共学)