ものごとは規則通りきちんとやらなくてはいけないし、そのようにやっている人を尊敬し見習い、また子どもや学生達にもきちんとやることを教育しなければいけない。
確かにそうなのだが、きちんとすることが生きやすいとは限らず、時にゆるい場所、ゆるい生き方が必要な時もある。
藤原新也が、土地の「猫度」という興味深いことを言っている。
野良猫が自由に行き来している土地は、「猫度」が高く、住みやすいという。猫という動物が勝手に生きている土地や空間というものには“隙間がある”せいだという。「猫度」の低い土地は、「猫の糞ごときに目くじらを立てるような狭い了見は持っている人」が多く住みにくく、猫度の高い土地は、人々は大らかで、ゆるい人が多く、住みやすいという。住む土地を探す時、「猫度」は重要な指標になるという。
同じように、ペット不可のマンションより、野良ではないが猫や犬の棲息が許されるペット可マンションの方が、住んでいる人々はゆるく、大らかで住みやすいかもしれないと思った。