若い研究者が次々と素晴らしい本を出している。ただ、読書離れが進んでいるし、大学図書館や公共図書館も財政難で本の購入を抑えるようになっているので、どのくらい購入数が伸びるかが心配。
上智大学卒、東大大学院卒(教育学博士)の大島真夫氏(東大社会科学研究所助教)が最近出版した本(『大学就職部にできること』勁草書房、2012年7月)は、今の若者の就職難の時代に、役立つ本であることは間違いない。
大島氏の博士論文がベースになっているが、とても読みやすく書かれている。指導教授の苅谷剛彦氏の論やこの分野の第1人者の本田由紀・東大教授の論を批判したり、スリリングな内容だ。
ただ、題(『大学就職部にできること』)が堅いのが気になる。「大学キャリアセンターにできること」「大学キャリアセンターにできないこと」「大学にキャリアセンターはいらない」などの題の方が、時代受けして、売れたのではないか。
「1万部売れたら、印税が入るので、おごりますよ」と、本人から言われたので(?)、購入を皆さんに勧めたい。